音楽室
%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e5%ae%a4

音楽室 Kenny Burrell ”God Bless The Child”

 

Kenny Burrell ”God Bless The Child”   (1971 ,CTI Records)

1 Be Yourself
2 Love Is The Answer
3 Do What You Gotta Do
4 A Child Is Born
5 God Bless The Child
6 Ballad of the Sad Young Men
7 Lost in the Stars
8 A Child Is Born [alternate take]

多くの命が失われた時代、その音は命の誕生を謳(うた)った

 

1955年に始まり、多くの戦死者・犠牲者を出しながら長期化・泥沼化したベトナム戦争は、1975年に南ベトナムの首都であったサイゴンが陥落したことで、ようやく終結した。

 

この、焼け焦げた木々の中を飛ぶヘリのジャケットが印象的な、ケニー・バレルのアルバムは、ベトナム戦争後期の1971年にリリースされたものである。ジャケット、曲の構成、そして何よりもその演奏を聴けば、バレルがこの作品により人々に何を訴え、問いかけようとしたのかは、明らかであろう。

 

バレルと言えばジャズ・ギターの巨匠であり、様々な「名盤」とされる作品を残してきたが、個人的には、このアルバムこそがバレルの最高傑作だと思っている。

 

特に、4曲目の”A Child Is Born”は傑出しており、稀なる名演である。

 

20代の頃、ブルーノート東京で、バレルの演奏を実際に聴く機会があった。あるピアノトリオにゲスト参加していたバレルは、ライブの途中でスッと現れ、紹介に対して恥ずかしそうに笑い、数曲演奏すると、来た時と同様に、大げさな身振り手振りもなく、自然な態度でステージを後にした。

その姿は、彼の人柄を反映したものなのか、そよ風のように穏やかだった。

 

-住吉―